さかのぼること、25年・・・
マリモコはピチピチの19歳じゃった
彼女は小さい頃から曾祖母
そう、ひいばあちゃんと両親姉弟と一緒に暮らしておった
祖父と祖母は早々に先立っていたから、彼女がばあちゃんと認識しているのはこの曾祖母じゃった
毎日仏様の前での読経を欠かさない、敬虔な曾祖母じゃった
曾祖母は、一年ほど前に脳溢血で倒れてしまったのじゃ
それからマリモコは、話しかけても返事ができなくなってしまった曾祖母に、たまに会いに行くようになった
たまにじゃ
特に日は決めず、およそ月に1回くらい
実家から短期大学に通う学生じゃったが、実家は田舎でのう
車で通っていたんじゃ
下校途中に、車で病院に寄って帰ることが多かったの
ある夏の日、学校帰りにふと、
「今日はばあちゃんのとこ寄って帰ろう」
と思ったんじゃ
月に1回くらいのいつものやつで
それで、いつも通りばあちゃんのいる病室に行って、手を握って少し話しかけて、そして
「また来るね」
と言って帰る
この日もそうやって帰ったはずじゃ
しかし、この「また」は果たされなかったのじゃ
その日の夜半、ばあちゃんの容態は急変し、そのまま極楽浄土へ旅立ってしまったんじゃ
朝、ばあちゃんの訃報が家に届き、
「昨日会いに行ったばっかだよ!?」
と思ったものじゃ

ばあちゃんが
「最後の挨拶したいからちょっと来てくれる?」
って呼んでくれたと思ってる
まさに虫の知らせってやつじゃ
霊感とかいうのは全くないし、怪奇に遭遇したこともほぼないけど、私が見えないだけで、そういう世界はあるんだろうなって思っている
父も母も血の気が多くて喧嘩っ早い人種だったので、いつも穏やかで私をきちんとちゃんづけで呼んでくれるばあちゃんが好きだったよ
方言がすごくて言ってることのはんぶんくらいしか理解できていなかったけど

コメント